ライター情報
仲埜 佑菜
Writing / Yuna Nakano
4月からマルブンノイチのPR担当として日々奮闘中。
西脇で好きな食べ物は「よりふじの回転焼き」
生まれてから西脇にずっと住んでいる私にとっては、日常に溶け込みすぎて特に気にもとめずに過ごしていたのですが、レトロ喫茶好きの間で密かに盛り上がっているのがしばざくら商店街の中にある、喫茶リラ。
お店に入ったときはちょっと怖そうなマスターという印象でしたが、話してみると気さくでとても話しやすいマスターでした。
奥さんも取材に応じてくださったのですが、まあこれでも飲んでってカルピスとみかんを出してくださいました。
お店をやり始めて今年で50年。
喫茶店や飲み屋で働いていたマスターがお店を一から作り、そこから結婚してお母さんも喫茶店を手伝うようになったという。
マスターがお店をやりはじめたきっかけって何やったんですか?
「それはもう、(働いて)覚えてきたからね。これでもしよかっちゅなもんやわ。ハハハ、何もすることあらへんからなあ、ハハハ」
と軽快に笑いながら話してくださったけど、何もすることあらへんから店しよかになるんや、、とびっくりして私もつられて笑ってしまいました。
「まあ、いけるところまでいこかあというようなもんやね。その時分は西脇もようけ人がおったから。」
50年前のしばざくら通りは市場と喫茶リラだけ。
かつての野村駅が近い喫茶リラは住み込みで従業員を雇っていたほどお客さんがたくさん来ていたお店だったという。
きっかけが、「やることないからやろかあ」から感じられるように、良い意味で気合を入れてる感じは全くなくて、
「やってみてあかんかったらやめたら良いし、続けれそやったら続けよか、まああかんかった時はあかんかった時」
という“ほどよいゆるさ”が50年続く理由の一つなのかなと感じました。
喫茶リラに行っては突っ込まずにはいられないというか、スルーできない天井に飾られた無数のひょうたん。
このひょうたんがあることでかなり不思議な空間を生み出しています。
「ああこれね、初めて来た人みんなきいてんやけど、主人がたくさんつくったんよ。ええのんは家に置いてるねんけど、ええこと無いやつはここへぶら下げてるねん。なんにも意味ないのよ(笑)」
ええことないやつと奥さんはおっしゃっていましたが、むしろ色々な形があって見てて面白いと思いました。
取材をした日の前日にも、大阪から来られた方がいたそうでこの雰囲気をとても気に入っていたそう。
今年の6月に雑誌に掲載されたようで、遠方から来られた方は必ずと言っていいほどフルーツパフェを注文するそうです。(ちょうどお昼時だったので注文できず、、次回リベンジします。)
フルーツパフェはたくさんフルーツが乗って600円。
安すぎませんか!?というと「わからんからずっとこの値段なんよ〜。」とのこと。ゆるい。笑
常連さんは大抵、毎日朝モーニング食べに来て、夕方またコーヒー飲みに来る方が多く、ほとんどの常連さんが顔なじみ。1日2回来るお客さんが多いことにもびっくりしました。
西脇に限ったことでは無いかもしれませんが、喫茶店でモーニングする(朝食を食べる)人が多く、顔見ない日があると「どないしとってん?昨日みいひんだけど」というやり取りが起こります。モーニングあるある。
そういうことで常連さんは頼むものが決まっているので、遠方から来られた方がパフェ頼んでるのを見るとマスターがこれ作りよっての!?嘘や!!と信じてもらえないそう(笑)
ひょうたんがぶら下がっている独特の雰囲気はもちろんのことですが、大きな音で流れるラジオとか、結構ものが置かれている感じとか、貼られているポスターとか。
ポスターと色紙はおかあさんのお知り合いの演歌歌手、中村美律子さんのもの。
とても目を輝かせてお話してくださったのですが、正直私は存じ上げませんでした。。(月に1回は大阪からリラに来られているそう。)
ソワソワしてしまってカフェに行くと落ち着かないのですが、リラのようなレトロ喫茶では何も気にせず気取らなくてもいい感じがして、決してシンプルな空間ではないですがとても居心地の良さを感じます。
きっと観賞用でも空間を和ませるために置かれているわけじゃない植物も気取ってなくて居心地が良い理由。リラに置かれている植物はきっと目隠しや間仕切りの役割ですね。
ライトの傘も最高にかわいい。
四角い形も、オレンジと赤の間くらいの色も。レトロな色で最高です。
店内が暗くなったときに電気がついたらどんな感じになるのか、、、
雰囲気がよくなることは確定しているので夜にも是非一度訪れてみたいです。
でももっと自分の最高だと思うポイントはここ!!!!
窓の四角が丸くなっているところとか、カーテンの絶妙な感じ。
緑の椅子もまたなんとも言えない良い模様と良い色です、、
なんとなく車窓を連想してしまうのは私だけでしょうか?
この席に座って入り口の方を向くと入口横のガラスブロックから入る光も綺麗で惚れ惚れしてしまいます。
取材後、古いのと新しいのようけあるから持って帰っていいよ。とたくさん出してくださったのは、レトロ喫茶独特のマッチ。
マニアの方にはたまらないんじゃないでしょうか?
喫茶店でマッチをもらったのは初めてだったのですが、調べてみると可愛いものから、渋いもの、お店によって、ボックス型(左)のところもあればブック型(右)のところもあったり、日常で使うことはありませんが、集めたくなってしまいました。。
最初は入りにくい、、と少し躊躇しましたが、マスターもお母さんもとても優しくて気さくな方でした。2人ともおしゃべり大好きな方です。
帰るときには、「ほら、2つじゃ少ないかもやからもう1つ渡しとくわ!」と全部でみかん3つもサービスしてくださいました!(うまく説明できませんが、こういうとこ西脇っぽい)
一人でゆっくりしたい時に訪れたい喫茶リラ。
お店の前の(かなり色あせた)食品サンプルも是非見てほしいポイント。
訪れた際は是非、フルーツパフェ食べてみてくださいね。
喫茶リラ
〒677-0054
西脇市野村町786-2
営業時間 7:00~19:00
定休日 第一、第三日曜日
赤と黄色のテント屋根が目印です!!
ライター情報
仲埜 佑菜
Writing / Yuna Nakano