2020.07.01

回転焼き?今川焼き?大判焼き?地域によってさまざまな呼び方がありますが、ここでは回転焼き。ご主人にお話をお伺いしました。

オレンジのテント看板が印象的な回転焼きやさん。初めての人はちょっと入りにくいかもしれませんがやさしいご主人が待っています。回転焼きは多くの人に愛される、幸せの味。

生み出された味はまさに職人の知識と技


前日に取材の依頼をしたのにも関わらず、ご主人は「何を話しましょうか?」と快く取材を引き受けてくださった。いつもやさしいご主人。

ご主人のお父さんは、おせんべい屋さんや、お菓子屋さん(パンなどを売っていた)などを経て、今の回転焼き屋さんになったそう。

ーーーー「いろんなお店して、どういうわけか回転焼き屋さんになったというわけやな。」

回転焼きは姫路の御座候の職人さんに1週間から2週間住み込みで来て教えてもらった秘密の味。

ご主人がお店に立ち始めて約50年になる。

ーーーー「この味一筋やけど、ちょっとは進化しとるとおもうよ。先代よりかはは美味しなってるって自負してる。美味しい言うてもらえるのがやっぱり一番やん?」



(回転焼きってこうやって作られるんや、、とついつい見入ってしまう。)


「長年やってきたからこそわかる、知識と技ですね。」

ーーーー「そうそう。手に覚え、頭に覚えてね。餡にしてもいくらでも甘くすることはできるけど、そこにちょっと塩いれるかどうかで味が大きく変わるんよ。それもまた入れ過ぎたらしょっぱくなってしゃあないねんけどね。」

この塩梅が味を大きく左右する。
くどいほど甘くはない、けどしっかり甘い。
どっと疲れた日にこの回転焼きを食べると気持ちが解けるような、そんな味。

ーーーー「こだわりはほかにも、餡と皮のバランスとかね、大きさとか量も、もう1個食べたいな、と思ってもらえるような大きさにしてるんよ。」

確かに言われてみればそうだ。
一個食べても充分満足するのだが、なぜかもう一つ食べたくなる。
しっかりと気持ちが解けて2つ目を食べるともうそこには幸せが広がっている。

ーーーー「工場もこの辺いっぱいあったからなあ。ほんでな15時になったらあみだくじで負けた人がおやつとして回転焼き買いにきはるんよ。」

15時のおやつにはぴったり!
小腹を満たすには最適のおやつかもしれない。
また買いやすいリーズナブルなお値段もおやつにぴったりな理由のひとつ。

取材中に訪れたお客さんのなかにも、「うちで食べるだけじゃなしに友達のとこへ持っていこかおもてるねん」と言ってはる方もいた。
この回転焼きは手土産にも最適である。

西脇で回転焼きはもうここだけ



ーーーー「昔は回転焼き屋も何個かあったんやけどね。みんな潰れてもうて(閉店して)とうとうウチだけになってもうたわ。なんぼか教えに行ったこともあったんやけどねえ。」

(鯛焼き屋さんは多いが)県内でもチェーンの御座候を除けば回転焼きやさんは10件に満たない。

お店に行き「5ついただけますか?」というと『10分ほど待っててもらわなあかんけどええ??』と聞いてくださる。

なんでも作って時間置いたものより出来たて、作りたてが美味しいと思っているので焼きたてをいただけるのは本当に嬉しい。



(店内に置かれたたくさんの猫たち(たまに犬?)は奥さんの趣味。縁起が良さそう。)

焼いているのを待っているときも、ご主人は最近のニュースとか他愛もない話を沢山してくださるので、“10分ほど”はすぐに過ぎる。

焼いているときの回転焼きの匂いもまた幸せ。

焼き上がったら、5つをくるくると紙に包んで渡してくださる。

「袋にいれてしまうと水滴で濡れてしまうからおすすめせえへんけど、どうする??」

と、やさしい気遣いもしてくださる。でも包まないとかなり熱々。
常連のお客さんも多く、たまには県外からも問い合わせが入ることもあるそう。

これまでには外国のお客さんも買いに来ていたこともあったらしい。
日本の餡とか好きなんやなあとちょっとびっくりしたと同時に、外国の人までも虜にするこの回転焼きはすごいと思った。

常連のお客さんは、ご主人達と仲良くおしゃべりしているのが印象的だった。
憩いの場のような。そんな場所なのかも。

かつての15時のおやつに回転焼きを買いに来ていた人たちもご主人との会話や甘い回転焼きに癒やされていたのかもしれない。

(個人的に好きなのもあるが)無くならないでほしい、ずっとこの味を食べ続けたいと切に願っている。本当に。



回転焼きは1つ100円、注文は5つから。
お店の前に暖簾がでていたら開いています。

ちょっと小腹を満たすのに今日は回転焼きを選んでみませんか?

店舗情報

よりふじの回転焼き
〒677-0015
兵庫県西脇市西脇361
定休日 日曜
営業時間10:00~17:00

ライター情報

仲埜 佑菜

Writing / Yuna Nakano

西脇市出身、西脇市在住の20代
4月からマルブンノイチのPR担当として日々奮闘中。
西脇で好きな食べ物は「よりふじの回転焼き」